ヨシヒロです。こんにちは。
会社の会議に参加していても、友達と世間話をしていても、
っていうシーンは時々ありますよね。自分以外はみんな知っているらしくて、自分だけが知らないっぽいシチュエーションです。そんなとき、知らないことを恥じず、何も気負うことなく質問することができますか?
という方は、とても心理的安全性の高い、素敵なチームにいらっしゃいますね。でも、現実には僕みたいに、聞きたいけど今さら聞きづらいなぁ…っていう人も多いんじゃないでしょうか。
そんなことを感じる方は、ぜひよさラボが提供しているよさ会議を取り入れてみてほしいと思うのですが…
そんな宣伝はちょっと置いといて(笑)、今日は僕が最近まで知らなかった言葉をご紹介します。突然ですが、あなたはディーセント・ワークという言葉をご存知でしょうか?
今回は日本政府も目指しているディーセント・ワークについて紹介し、さらにディーセント・ワークと心理的安全性の関係について考えてみます。
Contents
ディーセント・ワークとは
ディーセント・ワークとは、日本では「働きがいのある人間らしい仕事」と訳されています。元々は1999年にまでさかのぼります…
ディーセント・ワークとは、「働きがいのある人間らしい仕事」のことです。ILOは「全ての人にディーセント・ワーク – Decent Work for All- 」の実現を目指して活動を展開しています。ディーセント・ワークという言葉は、1999年の第87回ILO総会に提出されたファン・ソマビア事務局長の報告において初めて用いられたもので、ディーセント・ワークはILOの活動の主目標と位置づけられました。
<国際労働機関(ILO)のWEBページより>
このディーセント・ワークですが、最近いろんなところで耳にするSDGs(持続可能な開発目標)の17の目標のうち、8番目の目標「働きがいも経済成長も」の中に、“包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する”という風に書かれています。
よくぞ聞いてくれました!そうです。わからないことはすぐに聞きましょうね。SDGsというのは、2015年9月の国連サミットで決められた、世界共通の目標ですね。2015年から2030年までの長期的な開発指針として定められています。
様々な企業や団体はそれぞれの目標を持っているわけですが、国際社会に属している以上、SDGsの目標に繋がる活動になっていないといけないわけですね。
そんなSDGsの目標の中にも位置付けられているディーセント・ワークは、日本ではまだ未達事項として位置付けられています。余談ですが、日本が2018年時点で達成しているのはSDGsの17の目標のうちたったひとつ(目標4:質の高い教育をみんなに)だけです。
ディーセント・ワークと心理的安全
ディーセント・ワークはかなり広い意味の「働きがいのある人間らしい仕事」を意味してると理解しています。世界に目を向けると、子どもが労働を強いられていたり、私たち日本人の感覚からすると人間が活動する環境とは到底思えない劣悪な環境で仕事をしていたり、ありえない労働条件だったり、いろんな働き方をしている人がいます。
ILOは国際機関ですから、こういった劣悪な労働を改善するように働きかけるのがまずは最初におこなうことでしょう。一方で日本国内に目を向けると、「劣悪な労働環境」と言えばまた違った意味に捉えられますね。いわゆるブラック企業というやつです。
今でこそ法整備も進んで働く環境は改善されつつあるものの、働き方改革なんて口ばっかりで…という方も大勢いらっしゃることと思います。日本では児童労働みたいなことはほぼゼロに近いと思いますが、「働きがいのある人間らしい仕事」の実現には、まだまだ取り組むべきことがたくさんありそうな気がします。
これはフェーズの問題で、児童労働みたなことがなくなってもブラック企業問題はあるし、ブラック企業が日本から消え去ったとしてもまた新たな問題が生じるだろうと思います。だから、どんな状況の国においても、常に改善に取り組まなきゃいけないってことですね。取り組む問題のフェーズが違うだけです。
では日本では何に取り組むべきなのか。色々な意見があると思いますが、僕は組織・チームの在り方についてもっと考え、改善をしていく必要があると考えます。(だからよさラボでの活動もやってるわけですが…)
最近はテクノロジーの進化も手伝って、人と人とのコミュニケーションの在り方もだいぶ変わってきましたよね。固定電話もなかった時代は面と向かって話すか手紙出すしかなかったのが、固定電話ができ、そして携帯電話ができ、その後スマホやSNSが爆発的に浸透し、これからはバーチャル空間でしかコミュニケーションを取らないという人も出てくる可能性だってあります。
人間のコミュニケーションはテクノロジーとともに常に変化してるわけですが、1つ言えることは、人と人との直接的な会話は減る一方だということです。気楽でいいと思う人もいるかもしれませんが、なんだか寂しい気もします。結局、人間の活動というのは、誰のためにやるのか、誰と一緒にやるのか。それに尽きるんです。
まったく誰ともコミュニケーションせずに活動することはほぼ無理だと思いますし、それならばもっと人間同士でコミュニケーションすることを、テクノロジーのおかげで機会が減ってるからこそやっていくべきだと思うんです。
ディーセント・ワーク、つまり「働きがいのある人間らしい仕事」を本当に実現するために何が必要か?って考えてみると、僕は心からの信頼関係に基づいた人間同士のコミュニケーションが必要なんじゃないかと思います。具体的には、心理的安全な場におけるコミュニケーションの促進です。
人の意欲を引き出し、能力を発揮できる環境の整備
平成24年に閣議決定された「日本再生戦略」には、ディーセント・ワークに関してこんな風に書かれています。ちょっと長いですが以下引用です。
全員参加型の社会の実現を目指し、まずは経済を活性化し、新産業や地域における質の高い雇用の創出を図る。また、これからの新しい中間層を支える若者の教育支援と就労促進、共働きで子育てしやすい社会の実現等による女性の活躍の促進や、女性、高齢者等が学びやすく働きやすい環境の整備、高齢者の意欲と能力をいかせる居場所と出番の確保、障害者の就労促進、仕事と生活の調和が実現でき、多様な働き方を選択できる環境整備を図る。さらに、雇用のミスマッチ解消、トランポリン型のセーフティーネットの整備等を推進し、ディーセント・ワークの実現に向けて、すべての人々の意欲を引き出し、能力を発揮できる環境を整備する。併せて、少子化対策を進め、幼児期の学校教育や保育の充実・向上を図るとともに、子ども・子育てに関連する制度等について強化する。
<平成24年7月31日 閣議決定 「日本再生戦略」より。太字は筆者による。>
日本は大量生産のモノづくりで発展してきましたが、その方法が通用する時代は終わってしまったのはご存知の通りです。そして最近は、個の時代とも言われるようになっています。個々の思いや熱量や活動にもフォーカスされ、重要視されているのです。
すべての人の意欲を引き出し、皆が熱量高く、自分らしさ(=能力)を発揮できるかどうか。日本の職場ではそんなことが求められているように思います。それが、日本が目指すディーセント・ワークなのかなと僕は思っています。
そのために、人が活躍する場である職場の環境、チームワークを改善していくことが大事だということです。そのとき、重要なキーワードとなるのが『心理的安全性』ということです。
心理的安全な環境にさえなればいい、というわけではなく、他にも考えるべき課題はたくさんあると思いますが、心理的安全性の正しい理解と普及が、日本の組織を改善していく足がかりになると僕は信じています。
- チームの心理的安全性を高めたい
- 安心して意見を言い合えるチームにしたい
- メンバーの強みが活かされるチームにしたい
- 「このチームにいられてよかった!」と思える場をつくりたい
- 「ここで力を発揮したい!」と皆が積極的に思えるチームにしたい
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