コラム
カードをきっかけに、会話が「半歩」前へ。〜交流会主催者のための場づくり講座〜

「初対面の参加者どうしが、なかなか話し始められない」
「主催者である自分ばかりが話してしまう」
「せっかく集まった時間を、あたたかなつながりが生まれる場にしたい」
そんな思いを持つ交流会主催者のみなさんと、先日「よさカード」で場づくり講座を開催しました。
今回お伝えしたのは、安心感のある場をつくるための4つのポイント。
主催者自身が、少し自己開示すること
早い段階で全員が話せる「チェックイン」をつくること
全員が話し、全員が聴く時間を設計すること
気づきや次の一歩を持ち帰る「収穫」の時間をつくること
その中で、よさカードを実際に使ってみました。
正解のないカードが、自然な言葉を連れてくる
よさカードは、「あなたは優しい人です」のように、性格を決めつけるカードではありません。
写真や言葉、数字など、一見すると“よさ”と関係なさそうなモチーフが並んでいます。
引いたカードを見て、思い出したこと、感じたこと、自分のことを、自由に話してみる。
ただそれだけです。
「うまく話さなきゃ」
「気の利いたことを言わなきゃ」
そんな力みが少しほどけていくのが、この時間の面白いところです。
今回も、同じようにカードを引いても、そこから立ち上がる話は一人ひとりまったく違いました。
カードを選ぶ方法にまで個性がにじみ、そこから自然に笑顔や相づちが生まれていきました。
「距離が、本当に縮まるような感じがした」
体験後、参加者の方からこんな感想をいただきました。
4人いたら4人、それぞれ個性がすごく出る。
私は、距離が本当に縮まるような、半歩前に出るような印象がありました。
「半歩前に出る」という言葉が、とても印象に残っています。
いきなり深い話をしようとしなくてもいい。
自己紹介を立派に仕上げなくてもいい。
カードをきっかけに、普段なら出会わなかった話題にふれる。
その小さな一歩が、「この人はこんなふうに感じる人なんだ」という発見につながります。
別の参加者の方は、
「変わり種も含まれているから、固い話だけにならなくていい」
と話してくださいました。
交流会やお茶会では、つい仕事の話や肩書きの話に寄りがちです。
でも少しだけ予定調和から外れた問いがあると、人の意外な一面や大切にしていることが見えてきます。
そこから、会話はぐっとその人らしくなります。
話せる場は、心理的安全性を育てる
今回の講座では、「全員が話し、全員が聴く」ことの大切さにもふれました。
ある参加者の方は、以前の職場で、誰もが萎縮して自由に話せなくなっていた経験から、こんな気づきを話してくださいました。
「自分はしゃべっちゃだめ」という雰囲気ができる前に、話せるきっかけをつくることが大事。
よさカードは、そのアイスブレイクになりやすいと思いました。
人が萎縮してしまうと、わからないことを「わからない」と言えなくなります。
小さな疑問も、提案も、気持ちも、表に出にくくなってしまいます。
だからこそ、最初から「一人ひとりの話を聴く時間」があることが大切です。
よさカードは、話すための答えを用意するものではありません。話すきっかけをそっと手渡し、「あなたの感じたことを聞かせて」と伝えるための道具です。
主催者のひとことが、「受け止めてもらえた」になる
場づくりにおいて、話題を用意することと同じくらい大切なのが、話された言葉を受け止めることです。
参加者の方からは、主催者がひとこと返してくれるだけで、「受け止めてもらえている」と感じる、という声もありました。
「素敵ですね」
「そうだったんですね」
「そんな経験があったんですね」
特別なコメントでなくて大丈夫です。
目の前の人が話してくれたことに、ちゃんと心を向ける。
その小さな応答が、「ここにいていいんだ」という安心感につながっていきます。
よさカードは、会話の主役ではなく、場をひらくきっかけ
よさカードがあれば、必ず場づくりがうまくいくわけではありません。
けれど、カードを一枚引くことが、初対面の人どうしのあいだに小さな入口をつくってくれます。
全員に話す番があり、誰かの話を聴き、感じたことを返してもらえる。
その積み重ねが、あたたかく、参加者が自分らしくいられる場を育てていきます。
次の交流会やお茶会で、会話の最初の一歩に迷ったら。
よさカードを広げて、「今、気になる一枚を選んでみてください」と声をかけてみませんか。
そこから、思いがけない会話と、新しいつながりが始まるかもしれません。
▼よさカードについてもっと知りたい方はこちら
https://43-labo.com/#yosa-card
この記事のライター
高井ちずこ
よさラボの代表をしています。得意なことは場づくり、初動の推進力、カタチにすること。これらを活かし、よさラボでは主にファシリテーション、コンテンツづくり、突っ走り役を担っています!