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プレコンフォーミティを利用したチーム力の底上げ

よさラボサポーターの岸田ヨシヒロ(キッシー)です。こんにちは!


ちょっと前に、リンクアンドモチベーション執行役員の浅野耕司さんの著書THE TEAM 5つの法則という本が発売されましたね。読みたいな〜と思いながらまだ読めてないのですが、この本の内容に関連した、浅野さんと落合陽一さんの対談をNewspicksの動画で見ました。

Newspicks(ニュースサイト)の中のWeekly Ochiaiという落合陽一さんと様々なゲストが議論をする1時間くらいのネット配信動画ですが、その中でチームづくりに関する根深い闇の部分について議論がなされていました。

『チーム(会社などの組織)に所属しながらも、自分のチームをよくしようとは思っていない、組織にしがみついているような人たちは、どうすればチームをよくする方向へ動き出してくれるのか?』ということ。

すごくセンシティブな内容なので書こうかどうしようか迷ったんだけど、僕なりの考えを書いてみようと思います。こんな流れができれば、すべての人へチームをよくしようという想いが浸透するのではないか?という仮説です。あくまで、仮説です。

ちなみによさラボ代表の高井(チィさん)が、浅野さんの本を読んで、また別の視点(チームの意思決定のこと)について語っていますのでよろしければこちらもどうぞ。

「皆で決める」をスピーディーにする秘訣こんにちは、高井ちずこ(チィ)です。最近読んだ本の中で、チームでの「意思決定」について なるほど!と思ったことがありました。私たち よさ...

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まずは意見を受けとめる

浅野さんと落合さんの対談で、落合さんの方からそのような鋭い疑問が投げかけられて、著者の浅井さんは答えに窮するという感じでした。正直、そこまで考えきれていない、というのが彼の回答でした。


組織開発のことを常に考え、それを事業にし、急成長している会社の役員クラスでも、答えに窮する課題。それが、日本の組織にはびこる”変化しない人たち”です。事なかれ層、既得権益守りたい層、面倒なことやらなくても給料もらえればいいと思っている層…とでも言いましょうか。

チームをよくしていこう!と思って様々な施策を考えるこちら側から見ると、そんな風に感じられる層というのは確かに一定数いるな、というのが肌感覚です。対談の中でもありましたが、大規模な組織ほどそういった人材が多いというのが実際のところだと思います。

それもひとつの個人の考え方ですから、その考えを否定はしません。でも、チームで何かを成し遂げようとするには、やっぱり気持ちがひとつになってチームをよくしながらやっていこうとする姿勢が大切だと、僕は思います。

まず、他人を否定するところから入ってはいけません。だから、そんな考えもありだよねとまずは受けとめますけどね。

チームに対する想いに関わらず、活動は1本化する

そういった「自分は変わりたくないです」「めんどくさいから自分はいいっス」みたいな考え方の人がチームにいたとして、じゃぁそういう人も含めてチームで活動していこうとするとき、どのように振舞っていけば良いでしょうか。


やり方はふた通りあって、ひとつはチームで一丸となろうとする意思のある人だけをまとめていき、そうでない人たちを阻害してしまう方法です。そうすれば、短期的にはパフォーマンスが上がるかもしれません。

一方で、様々な考えの人がいるけれど、チーム全員で活動していくというのがもう一つの方法です。チームをよくしたいと思っている人も、そうでない人も、一緒に同じ活動に取り組むのです。この方法では、短期的なパフォーマンス向上はもしかしたら見込めないかもしれません。

でも僕は、後者のやり方がいいのではないか?と現時点では考えてます。そして、やるなら徹底してそれを続けるのがいいと思っています。

プレコンフォーミティが働く状況を作り出す

なぜそう考えたか?と言うと、ここである心理学に関する法則が後押ししてくれるかもしれないと思うからです。その法則とは、プレコンフォーミティと呼ばれます。メンタリストDaiGoさんのブログで詳しく説明されています。


意思の力のいらない悪い癖の直し方 / Mentalist DaiGo Official Blog

DaiGoさんのブログにはこのように記されています。

人間はみんながやっていることは気になります。これを悪い習慣の是正にも応用できるのではないかということを調べてくれています。
1970年代からこのような悪い習慣を直すための研究は数多く行われていますが、取るべき行動をいくら主張しても人の行動を変えることはなかなかできませんでした。むしろ、モチベーションを上げることにも繋がらないし悪い習慣に対する罪悪感を持たせることすらできませんでした。どうすればモチベーションを生み出したり悪い習慣を実感し行動に繋がる感覚を持たせることができるのかということを調べてくれたものです。
意思の力のいらない悪い癖の直し方 / Mentalist DaiGo Official Blogより》

ここでは悪い習慣を直すためにどうすればいいか、という文脈で語られていますが、これをチームをよくしようとするときの話に適用してみます。


組織の経営者の視点で見れば、組織に属する全員がチーム一丸となり、パフォーマンスを発揮してほしいと願っているはずです。だとすると、「チームが一丸とならなくても別にいいじゃん」「チームをよくすることに興味はないです」という社員の考え方は、できれば意識を変えて取り組んでほしいなと思うのが自然ですね。

そうであれば、チーム力の向上に否定的・懐疑的なメンバーも一緒に活動をすることで、プレコンフォーミティ効果を狙ってみるのがひとつの方法ではないかと思うのです。

スタンフォード大学の研究例

プレコンフォーミティに関してはスタンフォード大学の研究チームがこんな実験をやっています。


大学の近くのハンバーガーショップで「肉抜きの野菜バーガーが人気です!野菜メインのメニューやサラダを頼むお客さんが増えています!」というメッセージを客に伝え、客の行動がどう変化するかを調べたのだそうです。

つまり、肉食に偏りがちな”悪い習慣”に対して、大衆は野菜メインに移行しているという”良い習慣”をやっているというメッセージを伝えることが、悪い習慣を変える効果がどれだけあるかを調べたってことですね。

その結果、健康的な野菜メインの食事を選ぶ人が1.7%増えたそうです。人数にすると、あるお店で17日間実験をおこない180人の人が行動を変えたとされています。

これはつまり、「みんながやってることはいいこと」「自分も取り残されないようにしなきゃ」という考えが働くから起こることだと言われています。自ら行動を変えようという意思が無かったとしても、周りが変化していったら自分もそうした方がいいのかもしれない、と思うようになるってことですね。

チームの活動に当てはめる

これをそのままチームをよくすることに当てはめれば、たとえばよさラボが提供している「よさカード」を使ってチーム力を高めるワークをやりたい人もあまりやりたくない人も、一緒にとにかくやるんです。


当然、やりたいと思って取り組んだ人は、その活動の中に面白さや意義を早い段階で見出してくれるので、その人たちのモチベーションが上がったり、チームで活動する他のことにもいい影響を与えていくでしょう。

そんな姿を目の当たりにしている最初はやりたく無かった人も、周りの変化した人を見ることで、「自分もあの人みたいに活き活きした状態になりたい」と思ったり、「自分だけ置いていかれるのはいやだ」と思うようになるかもしれません。

これがまさにプレコンフォーミティ効果です。ほら。チームみんなで取り組みをおこなう意味がありそうな感じがしてきたでしょ?(笑)

おわりに

ということで今回は、チーム力を高めたい!というときの最もブラックなネタ(笑)に触れつつ、ポジティブな考えとネガティブな考えが共存する場合に、どのようにチームで取り組んでいくべきかを考えてみました。


もちろんこれだけが方法ではなく、所属するチームで力が発揮できないならチームを移るという方法だってあるわけです。でも、いろんな考えを持っている人がいるからこそいいこともある、ということを忘れずに、チーム力を高めていきたいですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ABOUT ME
岸田 ヨシヒロ
皆からはキッシーと呼ばれてます。よさラボWEBサイトの運営サポートをやりながら、心理的安全な場を広めたいとも思い、記事も書いています!このようなWEBサイト(ブログ)構築のご相談も賜ります。気軽にご連絡くださいね。
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