心理的安全性

Google Trendsで見る心理的安全性

ヨシヒロです。どうも。


よさラボのこのサイトの中では何度も何度も何度も何度もナンドモ…これでもか!というくらい出てくるキーワード『心理的安全性』ですが、世の中ではどれくらい注目されているのか気になって調べてみました。

この記事では、Google Trendsというツールを使って『心理的安全性』というキーワードの注目度について調べてみた結果と、なぜそんな結果になったのか?という点について考察してみたいと思います。

Contents

Google Trendsとは?

まず、Google Trends(グーグルトレンド)とは何か?という話ですが、検索プラットフォームでおなじみのGoogle社が提供しているツールです。


指定したキーワードがグーグル検索でどれくらい検索されているのか?というのを時系列の変化=トレンドで示してくれるツールです。誰でも無料で使えますよ。

この記事のトップ画像のような折れ線グラフで表示してくれます。具体的な検索数が表示されるわけではなく、指定した期間で、指定したキーワードの検索数がどのように変化してきたかを表示してくれます。


こんなの何に使うの??

と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。みんながみんな使うようなツールではないかもしれませんが、僕みたいにブログを書いたりする人間には必須のツールなんですね。

どうやって使うかというのを実例で示しますね。例えば最近耳よく聞く『働き方改革』というキーワードのトレンドを調べてみましょう。やり方は簡単。Google Trendsのサイトにアクセスしてキーワードを入力し、対象とする国・地域や期間を選択します。

以下の図は『働き方改革』というキーワードについて、対象の国を日本、期間を過去5年間と設定してトレンドを調べてみた結果です。

過去5年間における「働き方改革」の検索数のトレンド

ふむふむ…なるほど。この図は横軸が年月日、縦軸が検索数の割合です。最も検索数の多いところを100とした相対値です。


5年前(2014年4月頃)に比べると、『働き方改革』というキーワードの検索数がだんだん増えてきていることがわかりますね。2016年の夏頃(上図の真ん中くらいのところ)からジワジワと増加し、2018年5〜6月頃にはドカン!と検索数が増えているのがわかります。

2018年5〜6月頃といえば、ちょうど働き方改革関連法案が可決され頃ですよね。

このように、世の中の出来事を反映して検索数も変動するんですね。テレビやネットのニュースで「働き方改革法案可決!」と出たけど「何やそれ?!うまいんか?」と検索して調べる人がわーっと増えた証拠ですね。


ネットで記事を配信し、より多くの読者に情報を届けたいと思ったとき、例えばこのような検索キーワードのトレンド情報を調べ、トレンディなキーワードについて自分なりの視点で情報発信します。こうすることで、そもそも検索する人が多いキーワードの情報なので、普段よりも多くの読者に情報が届けられる可能性があるんですね。

日本で急上昇のキーワード『心理的安全性』

さて、ここからが本題です(前置き長くてゴメンナサイ)。心理的安全性』というキーワードはどんなトレンドで推移しているでしょうか?調べてみましょう。


ちなみに心理的安全性とは、あるテーマについて、チームのメンバーがお互い気兼ねなく発言し合える雰囲気を指します。会社での会議の様子を思い浮かべていただければいいのですが、「こんな質問したらバカだと思われるんじゃないか?」とか「知らないキーワードが飛び交ってるけど知らないのは自分だけっぽいから質問しづらい…」とか、そんなことを思わず、素直に発言し、そしてそれを受けとめ合える雰囲気を指します。

日本における「心理的安全性」の検索数の過去10年の推移

そんな心理的安全性というキーワードの過去10年間(2009年3月〜2019年3月)の検索数のトレンドを示したのが上の図です。これまで長年にわたり、ときどき検索されることはあったみたいですが、ほとんど注目されていなかったキーワードと言ってもいいですね。


ところが2016年3月頃を界に、最近は検索数がジワジワと増えているのがわかりますね。さっきの『働き方改革』みたいにドカン!と検索数が増えることはまだないですが、ジワジワっときているな、という感じです。

なぜ2016年3月頃から検索数が増えだしたのか?というのは、いくつか理由があると思うのですが、ひとつはこんな記事が公開されたことが要因だとおもます。

The New York Times Magazineの2016年2月の記事
What Google Learned From Its Quest to Build the Perfect Team

ニューヨークタイムズの電子版(英語)で、「Googleがチームの生産性向上に不可欠なのは心理的安全性だ!ということを突き止めた」という内容の記事が公開されたんですね。これをひとつの契機として、心理的安全性というのがどうやら大事らしい…ということに、日本の人も気づき始めたということですね。

米国における「Psychological safety」の検索数の過去10年間の推移

ちなみに上の図は、心理的安全性の英語表記であるPsychological Safetyというキーワードが、New York Timesの本拠地でもある米国でどれくらい検索されているかを示した図です。


見ての通り、New York Timesの記事が掲載された時期に検索数が増大していることがわかります。その後、日本ほどではないですが、じわりじわりと検索数が増えつつある感じですね。

日本ではこれまで検索数ほぼゼロの状態だったこともあってか、New York Timesの記事掲載後に検索数の伸びを示しましたが、米国では10年前もある程度の検索数があったことがわかります。

ということは、おそらく人事のお仕事をしている人や、関連分野の研究者など、“知ってる人は知っている”という状態だったのかもしれません。少なくとも、心理的安全性の概念を提唱したハーバードビジネススクールのエドモンドソン教授界隈の人々は、論文が出た1999年頃からPsychological Safetyという言葉を知っていたはずなので、その辺の人たちが検索していたのかもしれませんね。妄想ですが。

イギリスにおける「Psychological safety」の検索数の過去10年間の推移

ついでにヨーロッパ代表ということで、イギリスにおけるPsychological Safetyの検索数の推移も同じように調べてみました。こちらはNew York Timesの記事が出たところで大した反応はなく(汗)、最近微増しつつあるものの、あまり注目されていないのかもしれませんね。

日本で急上昇ワードになっているのはなぜ?

さて、ここまでGoogle Trendsで心理的安全性(Psychological Safety)というキーワードの言わば注目度を見てきたわけですが、やはり日本での近年の注目度増加は目立っているなぁという感じがしますね。


なぜ日本で、こんなに心理的安全性に対する注目度が上がってきているのでしょうか?これは僕なりの考察ですが、働き方改革、過労死、高齢化による働き手不足、終身雇用制度や新卒一括採用の崩壊…など、人事関係に関する話題が増えてきている、かつ注目されていることに関連しているのでは?と思うのです。

特に、大手広告代理店の若手社員が過労自殺した事件や、働き方改革による残業規制などは多くの人に身近な出来事でもあり、これから私たちはどう働くべきか?今の混沌とした状況をどう打破していくべきか?そのようなことを考える人が増え、心理的安全性という概念にたどり着く人が増えたのではないかなと考えます。

僕自身も、自分自身の働き方を今後どうすべきか、自分らしくあるためにどう変えていくべきか、そんなことを考える過程で人(よさラボのメンバー)との出会いや書籍との出会いがあり、心理的安全性という概念にたどり着きました。

心理的安全性を高める!必読のオススメ本あなたは『心理的安全性』という言葉を聞かれたことがあるでしょうか?これはもしかしたら、人が社会で仕事をしたり何か活動をする上で、最も大事...


心理的安全性というキーワードの注目度向上は、みんなが「働き方をアップデートしていこう!世の中を良くしていこう!」と考えているバロメーターになっているような気もしますね。


いずれにせよ、今後ますます注目度が集まってくるとしたら、個人的にはそんな嬉しいことはありません。でも、「じゃぁ一体、心理的安全性を高めるためにどうすればいいのよ!」ということになると思うので、そのときにあなたのお役に立てる情報をこのWEBサイトから発信していければいいなぁと思っています。

おわりに

ということで今回はGoogle Trendsのキーワード検索トレンドから見た『心理的安全性』の注目度について僕なりの考察をお話しさせていただきました。


Google Trendsでいろんなキーワードのトレンドを調べてみると、世の中でどんなことが話題になりつつあるのかがわかって面白いかもしれませんね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ABOUT ME
岸田 ヨシヒロ
皆からはキッシーと呼ばれてます。よさラボWEBサイトの運営サポートをやりながら、心理的安全な場を広めたいとも思い、記事も書いています!このようなWEBサイト(ブログ)構築のご相談も賜ります。気軽にご連絡くださいね。
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